女が、裸になる―。
それは男が想像する以上の冒険で、
人生を左右しかねない決断だろう。
ふとそんなことを思った。
名もない田舎町で育ったと、彼女は言った。 自転車通学では、ヘルメットを着用した。 制服の上にジャージをはおり、あぜ道を行く。
そんな日常との決別。
東京に出て、裸になった。
なんだかとても切なく思えた。 整えられた陰毛が、
……だから、裸になった。
そんな明確な理由はいっさい、ない。
何ができるのかなんて、わからない。 とにかく自分を変えたかった。
いつの日か、東京に慣れ親しみ、
裸”が当たり前になるの?
淡い期待に不安が入り交じる。